年末年始には、芸能人の離婚報道が増えるものですよね。
理由は、色々あります。
・年末年始は、マスコミ取材を避けやすいから(マスコミの人も休んでいる人は多いし、ワイドショーの放送や週刊誌も発売されない時期だから)
・年末年始に仕事がお休みのことが多く、話し合いをしやすくなるから
なんてことが言われるものです。
2番目については一般人にも言えることで、「話し合いの場」を改めて設けることで、別れに至ってしまうことってあると思うんです。
例えば、お互いが忙しい夫婦、もしくは、片方が多忙で、もう片方が寂しさを感じている夫婦とか。
双方が忙しい時は、ほぼすれ違いの生活で、たまに自分が休みの時には「妻(夫)と一緒に過ごしたい」と思いつつ、相手も忙しいから1人で過ごす・・・なんてことが積み重ねると、自分の都合に合わせてもらいたいと思う人ほど(※実は、ワガママでもありますが)「このまま一緒にいてもいいのだろうか?」と考えてしまうことってあると思うんです。
また、片方が多忙で、もう片方が寂しさを感じている夫婦の場合は、日頃から寂しい方は、「この人と一緒にいる意味はあるのだろうか」と考えてしまうでしょうしね。(だからこそ、忙しい方は日頃からフォローは大事ですよ)
それで、双方の時間ができたときに、話し合いの場を設けてしまうと、忙しい方は、そんな相手に対して面倒くささを感じてくるので、(※忙しいと精神的な余裕がなく、後先考えずに結論を出してしまうので)離婚に同意してしまうことも。
すごく難しいのが、だからって、「離婚するのが正解かどうかは、分からない」ってこと。
もちろん離婚して、「スッキリした!」という人はいるだろうし、次は自分と合う人と出会えることもあるかもしれない。 ただ、そもそも「結婚に向いている人は3割」「向いていない人も3割」「どっちでもない人は4割」なんてことが言われているくらいに、自分が「結婚に向いている」なら同じく「向いている人」と結婚したらうまくいきますが、そうではない人たちは、やはり自分たちの努力次第なところもあるでしょうね。
相手を変えればうまくいく、というわけでもない。特に3割の「向いていない人」の人たちは。
例えば、芸能人でも売れると自分中心にスタッフが動いてくれるので自己都合が叶ってしまう環境になりやすいもの。
そうなると、意外と結婚向きだった人でも、「結婚に向いていない人」に変わってしまうこともあると思うんですよね。
だから、共に売れっ子の忙しい者同士が結婚してしまうと、よりうまくいきにくかったり。 片方はそんなに売れっ子芸能人ではなかったり、一般人だったりしたとしても、寂しい思いをして、我慢の限界がきたら、離婚を突きつけることはあるでしょうしね。
そんな「結婚に向いていない人」が離婚して、また新たな人と結婚したところでうまくいくのかどうか・・・。
結婚が向いていない人は、自分でもきちんと自覚した方がいいことも。
結婚に向いていない人は結婚できない、というわけではなく、その分、「我慢」が必要な人なのだ、ということなんですよね。(それは、自分の意に反しても、相手の要望に応える必要もあるということ)
だから、3回結婚している人とかも、3回も結婚しているから向いているわけではなく、向いていない人だったりします。(もちろん離婚で学べば、向いている人に変わることもあるでしょうが)
結局、先ほど、「離婚するのが正解かどうかは、分からない」と言ったのは、そこなんです。
もともと結婚に我慢が必要な人が結婚した場合は、今後、1人で生きていく覚悟がなければ、やはり忍耐を持って、今の生活を続けることの大切なのでは?と。
1人で生きていく覚悟を持てるのであれば、自由に生きればいいだけですが、その覚悟を持てる人って、なかなかいないことも。
そういう人ほど、「相手を変えれば幸せになれる」なんて他力本願なことを考えていたり。そういうところも自己中だからこそ、より「結婚に向いていない」わけですが(苦笑)。
人間関係に完璧さなんてないから、誰かと共に生きるということはお互いに譲歩し合わないといけない、ということ。
もちろん相手が明らかに自分の人生の足かせになっていたら、それは離婚を考えた方がいいこともある。(相手の束縛が厳しすぎる、とか)
でも、そうではなく、相手が自分の思い通りにならないことに腹を立て、ストレスを溜めるくらいの人はそれでも「誰かと共に歩む人生を望むのであれば、我慢が必要である」ことも学ばなくてはいけないのかもしれません。
基本、自分が譲歩したときは、相手側が「快適」なこともある。 ずっと譲歩しっぱなしではダメだけど、(自分が壊れてしまうし)逆に相手に譲歩を強要しすぎたときは、相手の方から別れを切り出してくるのは当たり前のこと。
お互いに折り合いをつけて、譲歩し合うというバランスが大切だったりしますよね。
結局、「双方が譲歩し合う必要がある」ということは、夫婦というのは、「そもそも、お互いが我慢し合うことが求められる関係である」ということ。
それは、お互いに不満に持っていることをぶつけることばかりしないで、消化できない思いは、自分でもどこか誤魔化しながらやっていかないと、うまくいかない、ということでもあるんですよね。(全て言い合ったら、仲が悪くなるばかり・・・)
そこに気付くかどうかって、すごく大事! だから、年末年始に時間ができたときにそんな双方の今まで言わずにいた不満の出し合いをしてしまったら、やはり関係は壊れる可能性が高いでしょうね。
白黒つけない方がいいこともあるんですよね。だっても、そもそも完璧な夫婦関係なんてあり得ないのだから。
やんわり相手に自分の意思を伝えることは大切でも、相手への今までの不満をぶつけ、「今後の2人はどうするべきか?」みたいな話し合いになってしまったら、別れに近づいてしまうのは、よくあること。
だって、その時の話し合いでは「2人が一緒にいて幸せなこと」よりも「一緒にいることでの不満」の話題の方が多く出てしまうものだから。
基本、人は、愚かだから、幸せには慣れてしまい、「一緒にいて幸せなこと」は“あたり前のこと”として扱ってしまう。
でも、別れたらそれも失ってしまうことを本当に理解しているか?というと実は、今まで溜めていた不満を相手にぶつけるのに精一杯でそこを見落としていることも。
でも、人は、別れた後、失ったものには敏感になるから、後悔することも色々と出てくると思うんですよね。(だから、短気は損気なんですよ)
昔は女性は専業主婦が多かったから、どんなに辛くても、「生活のために夫と別れない」という選択をしていた人も多いもの。 それがいいかどうかは置いといて、それでも添い遂げた夫婦の中には、やはり「あのとき頑張って乗り越えてよかった」と思うこともあるでしょうね。
逆に、夫が定年退職をすると熟年離婚を言い渡す妻もいるもの。 でも、その妻が別れた後、本当に幸せかどうかは、分からないところもあるでしょうね。(私の友人の夫婦は、熟年離婚後、復縁しました)
「我慢して辛い生活を送るくらいなら別れればいい」というのは、もちろんあるのだけど、誰かと共に生きるというのはそもそも我慢が必要となることであるなら、もし自分が「結婚に向いていないタイプ」で、1人で生きていきたくないのであれば、やはりそれは忍耐が必要だとも思うのです。
そうでなければ、1人で生きる覚悟を持つ。それしかない。 それはどっちがいい、悪いではなく、自分の「生き方」の話だから。
年末年始にこれから夫婦の関係について話し合いたいと思っている人はまずは、
・自分が本当に結婚に向いているタイプなのかを考えた方がいいし、(向いていないと思うのであれば、やはり我慢は必要であることは覚悟すべき)
・相手と別れたときには、今まで当たり前のようにあった一緒にいることでの幸せを失うことも、きちんと考えた方がいい。
ただ単に「新しい相手に変えれば、今ある不満は解消されて、幸せになれる」なんて、単純な話ではないから!
そうなる前に、自分が生まれ変わるくらいに結婚向きの人間に変わらないといけないこともあるから。
だったら、相手と別れる前に「結婚向きな人間」に変わってから、離婚するかどうかを決めればいい。
そうなったときには夫婦仲がうまくいっていることもあるし、逆に、離婚しても、新たな人と幸せになれるかもしれないから。 完璧な人間はいない。不満のない人間関係はない。
でも、1人で生きていく覚悟はないのであれば、我慢しないといけないこともある。今、離婚を考えている人は、もう一度、よーく考えてみましょうね。
以前、トーク番組を見ていたら、ある女優さんが、夫の不満をそのままブチ当てても喧嘩になるだけだから、ノートに書いて、うっぷんを晴らしていたなんておっしゃっていました。(今ではそれも乗り越え、夫婦仲はうまくいっているみたい)
不平不満は吐き出した方がいい。でも、それは相手に言う必要はないことも。(相手に言うときは、やんわりとした言葉で伝えた方がいいですし)
だから、彼女みたいにノートに書き出したり、仲のいい友達に話を聞いてもらったりして、やり過ごす、ってことも、大切でしょうね。
何はともあれ、離婚の決断をする前に、“当たり前にある幸せ”にも気付くことは大切ですよ!
byコラムニスト・ひかり