■罠にハマっていない?
ドラマ『35歳の少女』を知っていますか?
事故により25年間眠り続けた望美が目覚め、小学生だった彼女は35歳として生きていくお話です。
望美が眠り続けていた25年の間に、家族はバラバラ、世の中もおかしくなっていて、彼女は周りの人に25年前の幸せだった姿に戻ってもらおうと頑張るのですが、努力もむなしく、深く傷つき、「もう、自分のためだけに生きる!」と心を閉じてしまってしまうんです。
そして、人気ユーチューバーとして、望美は生きるのですが、そこで発信するメッセージは、とても人を幸せにするものとは言えない残念なものばかりなんです。
「これからは、無駄なものは全部捨てましょう。
家族、友人、恋人、そんなもののために生きていても、裏切られるだけです。
私たちに必要なのは、情報と金、そして自分だけです」
まさに、今の殺伐とした世の中を表していますよね。
情報、お金、自分だけを大切にして生きている人々・・・意外と多くないですか?
まさに25年ぶりにこの世界を見た望美には、今の世界がこんな風に見えてしまうんでしょうね。
もちろんこんな生き方をして幸せになれるわけがないのですが。
そして、そんな変わり果てた望美を責めた恋人に対して、望美はこういったことを言うんです。
「これからの世界は心地よい言葉や都合のいい情報を与えて、大衆の心を操作し、自分の利益をあげるものだけが生き残れるの。
そんなことにも気付かないで騙されるほうが悪いのよ」
これ、思い当たりませんか?世の中には、そんな情報ばかり。
特に「うまい儲け話」ばかりしている人には、注意したほうがいいですよね…。
また、自分を見失った望美に対して、母親が言うセリフも、心に刺さりました。
「人を不幸にするのは誰にでもできる。
でも、たくさんの人間を幸せにできるのは少ししかいない。
あなたは、その一人なのに・・・」
人を不幸にするのは誰にでもできる。そんな誰にでもできることをあなたはやりたいのですか?って話でもあります。
これは、私たちにも言えることですよね。
◇
このドラマは、「家政婦のミタ」「過保護のカホコ」「同期のサクラ」などの脚本を手掛けている遊川和彦さんが本を担当しているんですよね。
そういえば、「女王の教室」では、こんなセリフが話題になりました。
「いい加減、目覚めなさい。
日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでるか知ってる?
今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。
世の中の仕組みや不公平なんかに気づかず、テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず、会社に入ったら上司の言うことをおとなしく聞いて、戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行って戦ってくればいいの。」
(「女王の教室」より)
私自身、「この世界の仕組み」を知ることになって、この言葉の重みを感じます。
「女王の教室」が放送されたのが2005年の15年前。
私たちはこの15年、一体、なにをしていたのか。
「35歳の少女」の話じゃないけど、15年間、成長してこられていたのか。
だったら、どうしてもっと成熟した世の中を作ってこられなかったのか・・・。
今からでも遅くありません。目覚める必要があるんです。
目覚めたときに、生き方は随分、変わってくるから。
この世界で一般的に「いい」と言われているものがいいとは限らない。
「悪い」と言われているものが、悪いものとは限らない。
そういう視点に立てたとき、私たちが選ぶもの、生き方は変わってくるから!
でも、流れてくる情報を鵜呑みにしているだけでは、もっともっと眠らされていくだけなんです。
自分たちで調べること、自分たちで考えること、自分たちの本当の幸せを見つけること、それこそが、目覚めることであり、幸せになるために大切なことなんですよね。
あなたは、
・流されるままの人生、
・自分で選ぶ人生、
どっちを選びますか?
byコラムニスト・ひかり