恋愛も失恋も、パーソナルな経験です。だから、それに関して、どこまで本人ではない人が首を突っ込むのか、というのは、気を付けなくてはいけません。今回はこういったお悩み相談です。
（Rさん）
娘（１６歳）の恋愛相談です。ずっと好きだった人がいました。
２３歳の男性と夏くらいから仲良くなって、徐々に恋をしたようです。人見知りで、中々本音を言えない娘にとって、初めて何でも言える相手でした。
ところが相手はこの春 就職で寮に入り、訓練を受けます。その際 携帯などは一切使えないなど、色々制限もある場所です。
あるとき、彼に「今日でもう会えないよ」と冷たく突き放されたようです。何を言っても聞きながされ、嫌がらせまでされました。娘のことは無視なのに、他の子にはニコニコ話していて、「これからも頑張ってね」声までかけてあげていたようです。
娘は最後に携帯番号を聞いたのですが、教えてもらえず、娘の番号も受け取ってもらえず、「僕が真面目なのはわかっているでしょう？」と返されたそうです。
彼なりの優しさで 最後は嫌われるように仕向けたのでしょうか？
でも、高校生には伝わりません。傷ついて、傷ついて、苦しみます。「人を信じて、すぐに変わられるなら、もう信じないよ、絶対」と、食事もとらず、泣いています。
彼は何がしたかったのでしょうか？１６歳の子供の心に背負わせた物は、大きすぎるよね？
（Rさんへの回答）
うーん。根本的なことを言ってしまうと、親が子供の恋愛に、どこまで首を突っ込むか、ですよね。
いただいた恋愛相談は、娘さんから直接、いただいたものではありません。
だから、Rさんが当事者ではなく、さらに「娘さんから見た状況」に過ぎないから、正確な状況ではないと思うんです。若ければ若いほど、視野は狭いですし。
相手の行動には、何かしら理由があるはずです。それはもしかしたら娘さんには分かっていても、母親には言えないこともあるかもしれません。
彼が言った「僕が真面目なのは、わかっているでしょう？」という言葉にしても、意味深すぎます。
まあ、相手も娘さんに比べたら大人であっても、２３歳と若く、まだ自分のことでいっぱいいっぱいの年齢なので、今回の対応で分かるのは、「娘さんの思いが重たくなった」可能性高く、要は「脈はない」ということです。
「彼と色々なことを話せる間柄だった」といったところで、今まで電話番号の交換すらしていなかったくらいですしね。
それは、娘さんにとって彼は、何でも話せる人であっても、彼にとって娘さんは、電話番号を教えるような間柄ですらなかった、ということのような気がします。娘さんが相手に期待しすぎたところも大きいのでは？
親が子供に教えられることは、「相手に優しくできたか？」「相手の立場で物を見ることができたか？」ということであり、そうした上で、こんな冷たい対応をされるのであれば、「今回は見る目がなかったから、次はもっと思いやりのある男性を選ぼうね」「人を信じちゃいけないのではなく、信じていい人を見抜く力も大事だ」というようなことくらいではないでしょうか。
失恋は悲しいものですが、恋愛に正解はないこと、人生はままならないことを学ぶ、いい機会だと思います。
子供に悲しい思いをさせたくない、失敗させたくない、という気持ちはわからなくはないのですが、今後、彼女が素敵な大人になるためにも、失敗から立ち上がれる強さを持てるように見守ることが大事でしょうね。
「１６歳の子供の心に背負わせた物は、大きい」とおっしゃっていますが、今回は別に彼に弄ばれたわけでもないのですから、一般的な失恋話とそう変わらないものだと思います。
基本的には、子供の恋愛に親が首をつっこまない方がいいとは思いますが（※不適切な恋愛ではない限り）、娘さんから再度、相談されることがあれば、今回の失恋を通して、色々と学べるようなサポートをしてあげてみてはいかがでしょうか？
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byコラムニスト・ひかり
コラムニスト・フリー記者。 『100 の恋』(泰文堂)で小説家デビュー。夕刊フジでコラム連載をきっかけにコラムニストに。ブログ「ホンネのOL”婚活”日記」は、２０～４０代の女性に人気。著作に『愛される人の境界線』（KADOKAWA）、『「大人女子」と「子供おばさん」』（新人物往来社・中経出版)、「恋愛の青い鳥」（TWJ)など。
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