本当に人を愛するためには、愛せる人と出会うことが大切!・・・なんて思いがちですが、その前に、自分ができていなくてはいけないことがあるんですよね。 それがないと、誰と出会おうと、本当の意味で恋愛はできないから。
植木理恵さんの書籍「本当に分かる心理学」では、それをそれを心理学的な視点で紹介されていました。
[自分とは誰なのか?]
というアイデンティティが固まっていない人は、「アイデンティティのための恋愛」をしやすいそうです。
そういう段階の人は、恋人からの賞賛を映し鏡にして、自分探しをしようとしてしまう。(自分に自信がないので、それを補強するために、恋愛相手を利用してしまう)
そして、「相手に愛情を注ぐ他者愛」よりも、「自分を認めてほしい自己愛」が上回るような恋愛傾向になってしまい、交際が長続きしないのだとか。
だから、まずは自分のアイデンティティをきちんと固めている状態で恋愛をした方がいいんですよね。
アイデンティティを固めるまでの段階にはこういうのがあるそうです。
1アイデンティティの拡散
(自分の信じる道に積極的に関与していない段階)
2早期完了
(自分はこんなものと決めつけている段階)
3モラトリアム
(自分探しのために模索している途中の段階)
4アイデンティティの達成
ただし、40代になっても、アイデンティティの達成に至っていない人は、多いそうです。
あなたは今、どの段階でしょうか?
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ちなみに「アイデンティティのための恋愛」から抜け出すためには、この6つのことが重要とのこと。
1無条件性
相手に条件を求めず、ありのままの相手を好きになろうとする
2相互性
自分のことばかりを考えるのではなく、相手の喜びを自分の喜びと感じるようになる
3防衛の消失
ありのままの自分を相手に出すようにする
4人生のパートナーシップ
精神的に支え合う存在になるように意識する
5時間的展望
今だけではなく、将来の2人のことに思いをはせるようにする
6身体症状の消失
「ドキドキするから好き」という時期を超えて、「安心感や信頼感が持てるから好き」に移行する。
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自分のアイデンティティを、自分の力でしっかりと固めることが大切なのはもちろんのこと、すでに固まっている人は、恋愛相手を選ぶときには、やはりその段階はクリアした人を選んだ方が、いい恋愛はできると思います。
現代は特に学校教育が「みんなと同じようにする」ことを強く求められるところがあるので、それで教育され過ぎてしまうと、大人になってからも、自分らしさや自分のアイデンティティを見つけることが難しくなってしまうところもあるのかもしれません。
そもそも「自分の好きなこと、得意なことを磨く」ということだけでも、自分のアイデンティティというのは、見つけられやすくなるものだと思うんです。
でも、すぐに「トップクラスにならないといけない」みたいな考えを持ってしまうと、「いやいや、私なんて・・・」と自分らしさが分からなくなってしまうことも。
負けず嫌いなのは悪くはないけど、トップばかり目指していたら、疲れてしまいますよ・・・。
それで1番でなくなったら、自信を失ってしまって、「もうダメだ」なんて思ってしまったら、もったいない。もしかしたら、全国で30番目にスゴイのかもしれないのに。
それはおそらく、自分で自分をきちんと認めてあげられていないから、数字として、きちんと「1番」という数字がないと気が済まなかったり、周りから認められないと、自信を持てなかったりするんでしょうね。
でも、アイデンティティって、そんな難しいことではないと思うんですけどね。
自分で自分の特徴をきちんと受け止めて、「これでよし!」って思うようなことだから。
周りからの評価ばかりに振り回されないで。 むしろ全国で1万番目だとしても、「自分はこれが好きでこれで身近にいる人に役立てているのだから、トップクラスでなくてもよし!」と思えることも大切、というか。
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いい恋愛をするためにも、自分にある程度「納得できていた方がいい」ってことなんでしょうね。
それで言うと、男性の中には、「まだまだ出世していないから、結婚はまだだ」と思っている人が、出世しても、「まだまだ部長になっていなからダメだ」なんてずっと上ばかり目指して、いつまで経っても、結婚できなかったり・・・。
いやいや、新入社員でも「よし!正社員になったし、結婚しよう!」と結婚する人はするだろうから、自分がどこで納得できるか、だけの話なんですよね。(結婚してから出世を目指してもいいわけですし)
だから、実は出世の問題ではなく、自分が自分を認められていないこと、自分を受け止められていないことが一番の問題なんだってことに早く気付いた方がいいでしょうね。
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とにかく、本当の恋愛をするためには、自分に納得していることが大切!
自分はもちろんのこと、相手も納得できている人を選んだ方がいいってことなんでしょうね。
byコラムニスト・ひかり