苦しみがある時って、「自分だけが不幸だ」と思うと、余計に苦しくなってしまう。
でも、「自分だけではなく、他の人も色々な苦しみを抱えているんだ」ということが分かると、「自分も頑張ろう!」と乗り越えられるもの。
つまり、「人の苦しみ」が理解できる人であればあるほど、「自分の苦しみ」に対しては乗り越えやすくなるのです。
逆に、自分とは違う環境の人を見下したり、優越感を感じたりするようでは、自分が不幸な時にはさらに苦しむでしょう。
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人の痛みを自分の痛みのように感じる思いやりは、大切なことです。
もし私たちが魂を磨くために生まれてきたのだとしたら、それができなければ、成長するために、同じような苦しみを与えられることだってあるでしょう。
もちろん共倒れするまで手を差し伸べることはなくても、出来る限りのことはするって、大事ですよね。
裕福な人は、生活に余裕がない人の気持ちが分かるか。
幸せな家庭がある人は、孤独な人の気持ちが分かるのか。
健康な人は、体が不自由な人の気持ちが分かるのか。
異性愛者は、同性愛者の気持ちが分かるのか。
平穏に暮らしている人は、被災者の気持ちが分かるのか。
自分さえよければいい、なんてことはない。
結局、自分が人に対して抱く思いが、最終的に自分にも返ってくるから。
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人の痛みが分からない人は、自分に不幸があったとき、「自分だけが不幸だ」と思いがち。
そうすると、被害者ぶって、先に進めないことも。
不幸なのは自分だけではなく、「みんなそれぞれ色々な問題を抱えながらも、生きていっているんだな」と思えば、自分にも力が湧いてくる。
だから、日頃から、人の痛みは自分の痛みだと思えるくらい、優しい人でありたいものですね。
コラムニスト・ひかり