■あの彼に「観察眼」がある理由
相手の本音を知りたいと思うと、相手のことばかり観察してしまうことがあると思うのですが、大事なのは、そこではないかもしれません。
先日、あるお笑い芸人さんを取材しました。
その方は脚本家としても活躍されていて、彼の描くキャラクターは「あるある!」と思うような言動をするので、その方の観察眼には定評があるんです。
インタビューで、「どうしてそんなに人のことが分かるのか?」という質問をしたら、こういうことをおっしゃったんです。
「そんなに人を観察しているわけではないんですけどね。
でも、自分の内面はよく見ていて、どうして楽しいんだろう、なぜ嫌なんだろうとよく言語化するようにしている」と。
自分の内面のいい部分も悪い部分もしっかり見るからこそ、人の心の奥が分かることってあるんですよね。
だいたい人は、心の奥底は似ていることもあるから。
(よほど精神的に病んでいたり、サイコパスの場合は、想像しても分かり得ませんが)
逆に自分の心を見つめていない人、誤魔化している人は、人の内面を読み切れないことも。
だから、相手のズルさに気付かないで、希望的観測で物事を見てしまうこともあるんですよね。
例えば、不倫をしている独身者の人は、相手のズルさが分かっていないことが多いもの。
もし自分が結婚をしていて、パートナーとの関係が終わっていて、本気で愛する人が出てきたら、どんな行動にでるのか?
それと同じ行動を彼は今、自分にしているのか?をもう一度考えてみた方がいい。
そんなときは、そんなズルズルと不倫関係を長引かせないものだから!
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もちろん相手の気持ちを知りたいときは、相手の状況を理解することは重要。
相手が忙しかったり、体調が悪かったりしたときは、物理的にできないことって色々とありますしね。
あとは元々の性格は、理解した方がいいでしょうね。
マメなのか、面倒くさがりなのか。社交的なのか、内向的なのか、とか。
それらを把握した上で、もし自分だったらこんなとき、どうするのか?を考えてみて相手の言動と比べてみると、相手の本音が見えてくる、というか。
これは女優さんを取材していても思うことなのですが、演技派の女優さんは大概、自分の内面を深く見つめていることが多いんです。
だって、自分を含め、人間の深い感情を分からなければ、役の感情が分からないものですしね。
自分が望むような言動をしない役柄の場合、そこには何があって、そんな感情になっているのか、それを見つけなくては、役を演じ切ることはできないですしね。
もし彼の本音を知りたいときは、自分が“彼”という役を演じるつもりで、彼の言動を考えてみるといいかも。
彼は今、どういう環境なのか。
体調はいいのか。
心に余裕はあるのか。
その上で、どうしてこういった行動を起こすのか。
そうしたら、意外と分かるものかも。
更に言えば、相手がしてほしいことも見えてくるかもしれません。
放っておいてほしいのか、構ってほしいのか、優しい言葉が欲しいのか、見守っていてほしいのか。
自分と深く対話できない人は、人とも深く対話できない。
相手の気持ちを知りたければ、まずは自分の心を深く知るべし!
そのためには、自分の弱さとも向き合う、精神的な強さが必要なんですけどね。
ただ、そこを乗り越えた人が見える世界って、あるものなんですよね。
byコラムニスト・ひかり