以前、Yちゃんが合コンに行ったときのこと。
男性陣は弁護士、開業医、エリート商社マンで、ルックスも悪くなく、かなりのお金持ちだったとのこと。
しかも幹事の男性からは、「みんな独身、彼女なしだから、みんな本気モード!」と言われていたそうです。
でも、食事中、一人の男性が、ず~っと仕事の愚痴を言っていたそうです(苦笑)。
Yちゃんはこう思ったそうです。
「初対面の女の子達がいる合コンなのに、なぜ?」
その会は男性陣のおごりだったそうなのですが、Yちゃんにとっては、そんな事以上に最悪な合コンだったと。
「おごりじゃなくても、楽しい会話がしたかった…。もう一度会いたい人はいないな」と。
なるほどなぁ・・・。確かにそれは、楽しくないなぁ。
30代の男女の集まりだったようなので、それならなお更、“会話力”は欲しいもの。
別に面白いことを話さなくてもいいから、せめて、聞き上手になるとか、自分が話したいことよりも、人が聞きたいようなことを話すことを心がけることは、大切かも。
私自身、著名人インタビューの仕事をしていますが、第一線で活躍している人ほど、本当に話が面白いんです。
でもそれは第一線で活躍しているから面白いのではなく、面白い話もできる人だからこそ、第一線で活躍できるのだと思います。
トーク力というよりも、それだけ、普段から色々な事をちゃんと考えているんですよね。
そして、相手をきちんと見ているし、自分の見せ方も知っているし、自分が普段起きていること一つ一つをきちんと感じて受け取っているから面白いのだと思います。
誰もが素通りしていしまうようなことでも、違う角度から見たら、新たな発見ってあるもので、その角度で感じた事を話すだけでも、聞き手も「そういう見方もあるんだ、なるほど」と思えたりするもの。
日常に特別な出来事なんてなくても、面白い話にできる人っているんですよね。
そうすると、取材する方もまた会いたくなる、というか。
先日は、人気脚本家であり、映画監督の方を取材しました。
多忙な方のため、取材時間は30分だったのですが、どれも記事に書きたくなるような濃厚な内容でした。
別に、撮影中にこんな事件があったとか、特別な話ではなく、自分の頭の中でこういうことを思ったから、こういう形にしてみた、という内容がとにかく面白いんです。
普段から色々な角度からいろんなことを考えていて、だからこそ、この方の作品は本当に面白いし、インタビューも内容が深いんです。
すごくシャイでなかなか目を合わせてくれないんですけど、話す内容はすごくハートウォーミングで、(でも、それを言うと、照れて否定をしてきたり・・・笑)決して二枚目というタイプではないのですが、「ああ、これなら女性からモテるかもなぁ」と思ったものでした。
そして、一番印象的だったのは、はじめにご挨拶をして、名刺をお渡ししたとき、私の名刺を見て、色々と質問をされたんです。
私の名刺はちょっと変わったデザインだから、というのはありますが、それでも過去に取材した方の中で、一番色々と聞かれました。
相手をきちんと見ているんですよね。
「僕を見て!」ではなく、「相手を見る」。
だからトークも、こういう話だと相手が喜ぶだろうなと思って話すから、相手にとっても面白いんでしょうね。
話し上手な人って、
・相手をきちんと見ている。
・特別な出来事がなくても、発想の展開だけでも面白い話ができる。
ってことなんだと思います。
Yちゃんの合コン相手だった彼も、会社の愚痴ではなくて、そんな愚痴りたくなる出来事から、自分がどんな発見があったのか?を話せたら、むしろ好感度がUPしていたかも。
その方がポジティブですしね。
私たちも会話力のある人になりたいものですね。
byコラムニスト・ひかり