ふと思うんです。「人は、信じられない相手のことを愛するのは、難しいだろうな」って。
恋人がちょっとしたことでも嘘をつくタイプだったり、浮気をするようなタイプだったら、怖くて愛せないですよね。
結局、愛って、無償だけど、相手を愛するだけではなく、自分のこともきちんと愛さないといけない。
だからこそ、“自分が傷つくかもしれない相手”を愛することは、そうそうできるものではないですしね。
もちろん人は、自分を犠牲にしても愛する相手を助けることはあるかもしれない。
でも、それとこれは違う。
本当の愛があるから、そこまでの行動に出られるのであって、日頃から信じられない相手に対しては、そこまでできないでしょうしね・・・。
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実は、私は中学生頃からずっとあるテーマについて思っていたことがあるんです。
「人は、どうして人を裏切るのだろう?」と。
結局、大人になって分かったのは、裏切ろうと思って裏切る人は意外と少なく、その人が欲望(出世欲、性欲、金銭欲など)に負けてしまう行為が、“結果的に”人を裏切る形になる、ということでした。
まあ、中には、自分勝手で、人の気持ちが思いやれないから、自分がどれだけ相手を傷つけているのかに、気付かない人もいますけどね。
結局、人は、自分を傷つけるような人を愛せない。
それは逆を言えば、人を傷つけるような人は人から愛されない、ということ。
そして、「人は、信じられない相手を愛せない」ということは、「人を信じさせられない人は愛されない」ということでもあるわけです。
おそらく、自分を傷つけるような人と離れられない人、信じられない人と別れられない人というのは、その人を本当に愛しているわけではなく、依存していることの方が多いと思う。
本当に愛していたら、本気で怒って、相手が反省し、変わるまで、別れるでしょうね。自分がいたら、相手がダメになるのが分かるから。
もちろん例外的に、浮気をされても別れない人の中には、依存ではなく、相手を愛している人もいる。
その場合は、「単に浮気にすぎない。自分が本命だ」という信じられるものがあるから、別れない人の場合が多い(ある意味、浮気には寛容な部分も)。
逆を言えば、浮気自体を受け入れられない人は、まず、関係を続けるのは難しいし、それでも続ける場合は、「今別れたら、生活が困るから」「もう他に、付き合える相手なんて出会えないから」など、依存しているパターンが多いことも…。
人を傷つけている人、裏切っている人は、相手の好意にあぐらをかいて、いい気になりすぎているところもあるでしょうね。でも、そこに相手からの「本当の愛」はない。
本当に愛されたければ、人をダマしている場合ではないんですよね。
人に安心感を与えることって、愛されるためにも、すごく重要なことだから。
誠実な人でありたいものですね。
byコラムニスト・ひかり