以前、ある女優さんを取材したら、こういうことをおっしゃっていました。
「娘と一緒にいられる時間がたくさんあったり、逆になかったりする少しでも彼女の気持ちがおだやかでいられるようにできればいいなと思います」
その方を以前取材した4年前にはまだお子さんは生まれていなく、夫婦だけだったのですが、そのときも彼女は、こういうことをおっしゃっていました。
「『夫が家でリラックスするために、自分ができることはなんだろう?』と考える」と。
なんというか、相手の「心」を見るってとても大事なことだと思うんです。
「こうしたら、相手は喜ぶ!」と思うのと、「どうしたら、相手は喜ぶのか?」と考えるのは、同じようで、同じではない。
もちろん「どうしたら、相手は喜ぶのか?」
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「こうしてみよう!」
という心理にはなるのだけど、「喜ぶはず!」ではなく、実際にやってみて、「どうかな?」と相手を再度見られるかどうかが重要というか。
結局、「こうしたら、相手は喜ぶ」という人は、自分が勝手に相手がそれで喜ぶはずだと思い込んでいただけなのに、相手が喜ばないと、「せっかくやってあげたのに!」なんて気持ちになってしまう。
そもそも相手を喜ばせることが目的であるならば、そこで喜ばなくてもそんなことは問題ではなく、「じゃあ、どうしたら喜ぶのか?」って、次の方法を考えると思うんですよね。
そして、そういう心持ちが相手を幸せにするのだとも思うんです。
自分を大切にしてくれていることを感じますしね。
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自分は優しい人だと実感したいがために、相手にとっては「むむ?」と思っていることに気付かずやりたがる人もいる。(むしろ相手に気を遣わせてしまったり・・・)
そういう人も、「こうしたら、相手は喜ぶ」という思いこみの思考を持っている人が多い。
そういう人が持っているのは、「自分のための優しさ」に過ぎないことも…。
「心を見る」習慣がないと、表面的なことで、相手が喜ぶ、喜ばないかをジャッジして、行動だけで解決しようとしがち。
でも、それよりも、相手の気持ちをよーく見るって、すごく重要ですね。
大切な人の気分が良いと、自分の気分も良くなる。
結局、人の心なんて、自分と直接関わらないところでも、勝手に気分がよくなったり、悪くなったりする。
だからこそ、自分が何かしたところで、相手の気分なんて、変わらないこともあるんですよ。
だからこそ、相手の心を観察する。
時には、そっとしてあげることが、一番、相手のためになることもありますしね。
相手の心を見つめられる、そんな人でありたいものですね。
byコラムニスト・ひかり