恋人との別れというのは、何度経験しても、慣れるものではないものです。
ふと思うんです。どうして「別れ」はこんなに辛いのだろう?と。
それは、「愛の度合い」によって、辛さは変わってくると思います。
「相手が魅力的でないから別れた」くらいであれば、そんなに辛さはないかもしれません。(別れて、せいせいすることも)
それが、「相手が魅力的な人で、フラれた」パターンになると相手を失った分、辛くなると思います。(今まであった幸せを失うことになりますしね)
でも、それ以上に辛いパターンがあるとすれば、「相手のダメな欠点も分かった上で相手を受け止め、愛を注いでいた」パターンだと言えます。
それは、ある意味、本当の「愛」だから。
自分にとっての都合の良さだけで相手への思いが変わる程度の愛情とは違いますしね。 だから、簡単に嫌いにもなれないし、気持ちが消えないことも。
例えば、「相手が魅力的な人で、フラれた」パターンであっても、完璧な人など、どこにもいないのだから、「相手と別れて良かったこと」もあるはず。
それを色々と考えていくと、自分の気持ちが落ち着いてくることもあるものです。
でも、「相手のダメな欠点も分かった上で相手を受け止め、愛を注いでいた」場合は、ただただ相手の存在を愛していた分、その方法は効かなくなります。「それでも、愛そう」と思っていたのだから。
ただこの場合にも、最終的には、そこまで本当の愛情であったのであれば、「彼の幸せのために別れたのだ」と自分を納得させるのが、一番の方法かもしれません。 最後の最後で、自分の愛情の「本物度合い」が問われるのです。
「別れ」は、自分がその恋愛でどんな愛を抱けたか、を知るための“卒業テスト”のようなものかもしれません。 そして、きちんと愛せた人であれば、もっと素敵な人が現れるはず!(ある意味、卒業テストでいい成績をおさめたのだから)
結局、人は、スピリチュアル的なことで言っても波動が変わると、人との縁は変わってきてしまうもの。
それで言うと、同じような愛情を抱ける人でないと、縁が切れてしまうところもあるような気がします。 だからこそ、きちんと愛せた人ならもっと愛してくれる人に出会えるかもしれませんよ?
自分に言ってあげましょうね。「その恋、おつかれさまでした!」って。
<追伸>
さらに失恋を通して、「人の進化として、深いステップ」があるとすれば・・・(これは、かなり高度なステップですが)
本当に相手を愛していたのであれば、恋人であろうがなかろうが、ただただ愛し続ければいいだけのこと。 「恋人でなければ意味がない」のであれば、やはりその愛情は、“その程度だった”とも言えるのです。
更に言うと、
「その元恋人の存在がないと自分は不完全だ(何かが足りない)」と思えてしまう場合は、元恋人に依存していた、とも言えるのです。 そこにあるのは愛ではなく、自己愛とも言えるでしょう。
本来は、誰もが自分1人でも完全な存在でいること、そして、自分の力で幸せになることを目指すことが大切です。(それが、人としての進化であり、本当の意味での「精神的な自立」だから)
でも、自分の幸せを恋人に預けてしまう人は、その人を失ってしまうと、不完全な状態になってしまう。 さらに、その人を“特別な存在”にすることで、相手に「自分を苦しめる力」を与えてしまうのです。
逆を言えば、相手にそんな力を与えなければ、失恋しても、そこまで辛い出来事ではなくなるのです。 相手が傍にいようがいまいが、それで自分の幸せが奪われるようでは「まだまだ自分は不完全な人間である」と、自分で認めてしまっていることになるのです。
本来は、どんな出来事であれ、その意味合いをつけるのは、自分自身です。
本来は、自分を苦しめる力を他の人は持つことができません。大したことではない、と思えばいいのだから。
でも、相手にそんな力を与えてしまうのは、“自分自身”なのです。
だから、失恋が辛いのは、相手に自分を苦しめる力を与えてしまった自分に原因がある、とも言えるのです。
それは、「相手への愛」とはまた別のものなのです。そこにあるのは、「依存」だったり、「自分は1人だと不完全な人間だとどこかで思ってしまっているところ」だったり。
失恋しようが、恋人がいまいが、あなたはそのままで完全です。
そして、自分に起こる出来事の意味を与えるのも、「自分自身」なんです。他の人にそんな力を与える必要はないのです。
失恋を通して、この意味を理解し、学べることができたら、その失恋は人生において大きな収穫となるでしょう。(その失恋があったほうが、むしろ人生においてはよかった、と言えるくらいに)
なぜなら、
・人に自分を不幸にする力を与えないこと、
・自分自身の力で幸せになること
を実践できるようになることが、幸せに生きるためにとても大切なことだから。
つまりは、失恋であっても、人生には無駄なことなんてないんですよね。
byコラムニスト・ひかり