■あの人が「謙虚でいられる」素敵な理由
先日、あるアラフォーの人気俳優さんを取材しました。
(詳細を書くと、すぐに誰か分かってしまうので濁して書きます)
その方は、子供のころから芝居をやっていて、ずっと第一線でいらっしゃるのですが、インタビュー中は、ユーモアがあって、謙虚なんです。
それは、単にビジネスとして「礼儀正しい」のではなく、本当におごり高ぶっていない感じなんですよね。
それは、その人自身が、本当に芝居が好きで、「好きな芝居をやらせていただいている」みたいな思いもどこかであるから偉そうにならないところもあるのかもしれません。
ただ、それだけでないんですよね。
その方は親も、さらに祖父の代もずっと芝居一家なので、子供のころから、「お坊ちゃん扱い」はされてきたと思うんです。
それでもうぬぼれないというのは、「役者殺すにゃ刃物はいらぬ。ものの三度も褒めりゃいい」という言葉を肝に銘じているからなんですよね。
その俳優さんがおっしゃったんです。
「俳優を殺すには刃物はいらないんです。褒めればいいんです。“褒め殺し”という言葉があるでしょ?」って。
現代では、“褒め殺し”って、「褒めちぎって相手をいい気分にさせる」みたいな意味合いがありますが、本当の意味は、「褒めて、天狗にさせて、相手を地に落とす」という意味があるんですよね!
怖いですね・・・。
それをその方は、よく理解されているんですよね。
◇
さらに、その方のお父さんが名優と言われた方で(かなり芝居に新しい風を吹かせた天才で)、お父さんをすごく尊敬しているところもあって、お父さんの背中をずっと見ているから、というのもあるのかもしれません。
(ひたすら芸に人生を注ぐ姿に「天狗になる」なんて文字はなかったんでしょうね)
そして、その尊敬するお父さんからすごく愛情豊かに育てられたところも理由なのかも。
うぬぼれたり、いばったりするのって、「劣等感の表れ」なんですよね。
ただただ愛された人ってやはり強いんですよね。自己肯定感が強いから!
何はともあれ、私たちもうぬぼれることなく、また褒められても天狗になることなく、“自分の道”を究めていきたいものですね。
素敵な人だったなぁ!
byコラムニスト・ひかり