「言葉ではうまく表現できないんだけど…」
仕事で、著名人のインタビューをしていると、たまにそういったことを言われることがあります。
もちろん、言葉で言ってもらわないと困るのですが(笑)、でも、気持ちは分かるんです。
言葉で表現できるものって限られているから、自分の思いをありのまま言葉にするのは、言葉の訓練ができている人でも難しいことです。
しかも、文章にすると、読み手によっても解釈が変わる。だからこそ、意志疎通って、すごく難しいものだなぁと。
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私は、著名人をインタビューするときは、その言葉に乗った相手の心をくみ取るようにしています。
それによって、相手が発する言葉よりもより相手の思いに近い言葉を使って、
「それって、こういうことですか?」と聞くと、「そうそう!そういうことを言おうとしたの!」となることも多いです。
言葉そのものにとらわれ過ぎずに、“その言葉に乗った思い”をどれだけくみ取れるか。それこそが、コミュニケーションだと思うのです。
ただ、聞き手の方の思いが強ければ強いほど、話し手の思いをくみ取りにくくなります。だからこそ、きちんとキャッチできるように、自分の心を整え、聞ける体制になることも必要だったりします。
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最近、つくづく思うんです。言葉を単に言葉だけでキャッチしている人が多いなぁ、と。そこに込められた思いまでをきちんと受け取れる人は少ない。だからこそ、コミュニケーションがズレているし、一方通行になりやすいんだなぁと。
もちろん、メールでの短い文章で相手の思いを読むのは難しいですよ?だから、メールは置いといても、実際に会ったときくらいは、相手の表情、声のトーン、そして相手の思いをきちんとキャッチして、表面的な言葉ではない部分をくみ取ることが大切だと思うのです。
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例えば、「彼が『好き』だと言ってくれたから!」そう言って、付き合ってないのにHをして、以前、言ってくれた彼の言葉に引きずって、ズルズル関係を続けている人も少なくありません。
彼のこのときの思いもきちんとキャッチしてました?
自分の願望だけで相手を見ていなかった?
口だけがうまい彼に振り回されていませんか?
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好きな人のコミュニケーションに関わらず、本でもコラムでも、やはり言葉に乗った著者の思いまでを読もうとしないと、理解しきれないことも多いと思うんです。
だから、相手のメッセージをキャッチしようとしないで、自分の物差しだけで文字を追っているから、文章の解釈もズレてくる、というか。
“言葉に乗った思い”をどれだけキャッチするか。
それこそが、本当のコミュニケーションだと思うのです。
byコラムニスト・ひかり