■答えは魂が知っている
映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」を見たことはありますか?
1973年の作品なので、現代人が見ると、「むむ?」と思うところもあるとは思いますが、人として、本当の幸せとは何か?など、普遍的に大切なことをきちんと描いている作品です。
アッシジのフランチェスコの半生を描いた映画で、恵まれた環境にいたフランチェスコが戦場を経験した後、神への道へと目覚め、ある日、「人間に大切なのは富ではなく心です」と言って、街を出て、布教活動をし、人々を“本当の幸せ”へと導くお話です。
この作品では、人って、何かを得るとそれを手放さないように執着し始めてしまう。
だからこそ、初心の純粋な気持ちを失ってしまう人がいることをよく描いているし、地位や名誉を得たときにこそ、神様に試されるものなんだなぁとつくづく思うものです。
あと、「本物であれば、どんな環境でも輝くんだ」ということも、よく表現された作品でした。
自分の恵まれない環境を言い訳に、自分が成功しない言い訳をする人も少なくないけど、本当にその人に実力と魅力があれば、周りは放っておかないんですよね。
ミュージシャンになりたければ、本当に実力があれば、街で歌っても、だんだんファンは増えていくし、文章、写真、絵、映像などの作品を作って食べていきたければ、今はブログやユーチューブなどで自ら発表できる場があるので、そこから道が開かれていくことだってあるかもしれません。
今はネットがなかった時代と比べて、フェアーな環境になってきた、とも言えるかも。
■今も昔も変わらない人の業
・富に対する執着
・人よりも勝っていたい欲
これは、この映画が作られた時代から現代まで、ずっと人が抱いては、苦しんでいる思いですね。
これがある限り、その人は、楽にはなれないだろうなぁ。
だから、フランチェスコの「全て手放してしまえー!」という言葉は、解決方法としては、ある意味、正解ではあるんですよね。
ただ、手放さなくても、解決できる方法をとりたいものですが。
ハッキリ言ってしまえば、「人よりも自分の方が勝っていたい」と思う人ほど、その人の内側にはコンプレックスがあるもの。
だから、勝ってなくてはいられない。
しかも、勝っていたとしても、その人はずっと勝り続けなくてはいけないことに執着し、苦しむ。
なんだかなぁ~と思うものです。
もちろん、人より勝っていたいと思わない人の中には、「私は負け犬だから」と自虐になっている人もいるので、それはそれで、話は違いますよ?
ただ、人の幸せは、その人の心の在り方次第なのだと、思うものです。
この映画は、人の心の奥底にある、大事ものを思い出させてくれる、そんな作品です。やはり、人として大事なことって、普遍的なんですね。
ご興味があれば、観てみてくださいね!
byコラムニスト・ひかり